きりくび 切首

歌舞伎では重要な小道具である。斬首された人間の首も小道具が扱う。首実検など物語の中で大きな意味を持つ場面で使われるような首を「上首」、『暫』で鎌倉権五郎が大勢の仕丁を斬る時のような演出的に出てくる首を「駄首」と呼ぶこともある。『一谷嫩軍記』の小次郎、『菅原伝授手習鑑』の小太郎など、それぞれ決まった小道具の首があり、大切に手入れされて使われている。(橋本弘毅)

【写真上】
北條時政の目の前で弟の首実検をする佐々木盛綱
『近江源氏先陣館』盛綱陣屋 [左から]佐々木三郎兵衛盛綱(中村芝翫)、北條時政(坂東彦三郎) 平成28年11月歌舞伎座

【写真下】
番卒たちの首を次々と引っこ抜く弁慶
『御摂勧進帳』武蔵坊弁慶(坂東三津五郎) 平成25年12月新橋演舞場