とらのまき 虎の巻

中国の太公望(たいこうぼう)が書いたと伝わる軍法の奥義書「六韜(文韜、武韜、竜韜、虎韜、豹韜、犬韜)」のうち、虎韜の章のこと。韜は弓矢を入れる袋を意味する。黄石公(こうせきこう)が書いたと伝わる軍法書「三略」とセットにして「六韜三略(りくとうさんりゃく)」と呼ばれている。「虎の巻」は「秘伝のマニュアル」という意味で、一般にもけっこう使われる。『鬼一法眼三略巻』では、軍法家の吉岡鬼一が牛若丸(源義経)に「虎の巻」を伝えている。(前川文子)

【図版】
歌川国芳画 「鬼一と牛若丸」