1. 用語
  2. 化粧と隈取り
  3. 立役の化粧
  4. 実悪・色悪・敵役

じつあく・いろあく・かたきやく 実悪・色悪・敵役

実悪:白塗り。眉、目張り、口は口角に墨を入れて割る。『伽羅先代萩』の仁木弾正など。役によって青黛(せいたい)や茶墨(ちゃずみ)で隈を取る場合もある。

色悪:地色は白、眉、目張りは黒。青黛でうっすらと髭を描く。口は割る。『東海道四谷怪談』の民谷伊右衛門、『色彩間苅豆』の木下川与右衛門など。

敵役:地色は砥の粉、目張りやしわを茶墨でとることが多い。『平家女護島』の瀬尾太郎、端敵の『仮名手本忠臣蔵』の薬師寺次郎左衛門など。例外は半道敵で、白地に紅や青黛でどこかユーモラスに仕上げる。『仮名手本忠臣蔵』鷺坂伴内など。(阿部さとみ)

【写真上】
実悪
『伽羅先代萩』対決 仁木弾正(中村吉右衛門) 平成27年9月歌舞伎座

【写真中】
色悪
『色彩間苅豆』百姓与右衛門実は久保田金五郎(市川染五郎) 平成23年6月新橋演舞場

【写真下】
敵役
『平家女護島』俊寛 瀬尾太郎兼康(市川段四郎) 平成22年9月新橋演舞場
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