やくばらい 厄払い

元来は「厄除け」「厄落とし」とも呼ばれる災難除けの祈祷ですが、節分の夜に町を門付けして周る人たちの口調を真似た七五調のせりふも「厄払い」と呼びます。『三人吉三』の「大川端庚申塚の場」ではお嬢吉三のせりふの途中で、門付けが「御(おん)厄払いましょう 厄払い」と夜の町に響くのどかな声を聞かせ、それを受けて「ほんに今夜は節分か」というお嬢のせりふが続きます。(金田栄一)

【写真】
『三人吉三巴白浪』お嬢吉三(尾上菊五郎) 平成25年5月歌舞伎座