おいえそうどうもの お家騒動物

「お家物」とも呼ばれ、大名家などの内紛事件すなわちお家騒動を題材とした演目。江戸時代には仙台藩伊達家の「伊達騒動」、加賀藩前田家の「加賀騒動」、福岡藩黒田家の「黒田騒動」など数多くのお家騒動があり、それらを題材とした芝居も多く登場していますが、幕府により実話の芝居化は固く禁じられていましたのでいずれも鎌倉時代のこととしたり、足利家などと設定を変え架空のお話として上演されています。代表的な演目に伊達騒動を描いた『伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)』、加賀騒動の『加賀見山旧錦絵(かがみやまこきょうのにしきえ)』などがあります。(金田栄一)

【写真】
『伽羅先代萩』[左から]渡辺外記左衛門(中村歌六)、仁木弾正(中村吉右衛門) 平成21年4月歌舞伎座