しんぼうたちやく 辛抱立役

立役の中でじっと耐え忍ぶ役柄ゆえその呼称があります。主役の役どころですが、相手方(敵役)から厳しく責められ、しかし何もせずにひたすら受け身を貫き、肚の中で演技をしなければならないのでとりわけ高い演技力が求められます。主な役に『仮名手本忠臣蔵』の塩冶判官、『伊勢音頭恋寝刃(いせおんどこいのねたば)』の福岡貢、『五大力恋緘(ごだいりきこいのふうじめ)』の源五兵衛などがあります。(金田栄一)

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『菅原伝授手習鑑』寺子屋 武部源蔵(中村梅玉) 平成24年9月新橋演舞場