さばきやく 捌き役

立役の重要な役柄である実事の中でもとりわけ思慮分別に富み人情に厚く、主に芝居の終盤に登場して颯爽と見事に事件を解決する役です。数多い役柄の中で、演ずる側も観客の側も誠に爽やかになれる得な役柄といえます。主な例に『伽羅先代萩』の細川勝元、『阿古屋』の畠山重忠、『新薄雪物語』の葛城民部などがあります。(金田栄一)

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『伽羅先代萩』細川勝元(片岡仁左衛門) 平成18年11月歌舞伎座