こうか 効果

歌舞伎の舞台では、西洋演劇には登場し得ない数々の効果音が豊富に使われています。舞台下手の御簾内(みすうち)では主に大太鼓を使い、波音、水音、風音、雪音などその場の情景や気象状況などをさりげなく表現して場の雰囲気を作り上げます。また合方(あいかた)と呼ばれる三味線の演奏も加えて場面を細かく表現しますが、さらに鳥の鳴き声には鳥笛、リアルな波の音には波籠(なみかご)、そのほか蛙の声、赤児の泣き声など工夫の凝らされた特殊な道具を使って芝居をリアルに補助します。近年は音響による効果も時として使われます。(金田栄一)

【写真上】
雷車

【写真下】
波籠