番町皿屋敷 バンチョウサラヤシキ

作品の概要

執筆者 / 橋本弘毅
演目名 番町皿屋敷
作者 岡本綺堂
初演 1916 (大正5)年2月 東京・本郷座
概要 『修禅寺物語』『鳥辺山心中』などとならぶ岡本綺堂の傑作で、新歌舞伎の代表作のひとつ。もともと歌舞伎には『播州皿屋敷』という怪談の話があり、その趣向を取り入れてはいるが、幽霊は登場させず、あくまで近代でも通用する悲恋の物語としたところに特徴がある。青山播磨の最大の見せ場である長セリフにもその特色が窺われ、詩情豊かな名セリフとされている。作られた時代や背景は異なるが、「旗本奴」と「町奴」の対立を描いているところや、主人公・青山播磨の属する「白柄組(しらつかぐみ)」の頭領が水野十郎左衛門とされていることから、河竹黙阿弥作『極付幡随長兵衛(きわめつけばんずいちょうべえ』との共通点も見られる。初演の配役は、青山播磨が二代目市川左團次、お菊が二代目市川松蔦(しょうちょう)のコンビである。


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[左から]お菊(中村福助)、青山播磨(坂東三津五郎) 平成16年4月歌舞伎座
過去の
公演データ