登場人物
人物関係図
主な登場人物
- 智籌 実は 土蜘の精【ちちゅう じつは つちぐものせい】
- 日本を魔界にするべく、源頼光を病気にして命を狙う物の怪。比叡山の僧に姿を変えて闇夜に紛れて頼光の館に入り込み、病気平癒の祈祷といつわって頼光の命を奪おうとしたが見破られて斬りつけられ、本性を現して東寺裏手の塚へ逃げ込む。智籌の名は「蜘蛛」を「ちちゅう」と読むところからきている。
- 源頼光【みなもとのらいこう】
- 実在の人物で、本来は「よりみつ」と読むが「らいこう」の通称で呼ばれることも多い。大江山の酒呑童子討伐などで知られる名将。この「土蜘」では瘧(おこり。マラリアのこと)を患い療養中。
- 平井左衛門尉保昌【ひらいさえもんのじょうやすまさ】
- 頼光の家来で、四天王と並び「一人武者(独武者)」と称される勇者。頼光の病気見舞に訪れて智籌の襲撃に遭遇し、四天王とともに血痕を辿って土蜘を追う。実在の人物だが、家来ではなく頼光の友人だったという。
- 胡蝶【こちょう】
- 頼光の侍女。頼光に典薬頭(てんやくのかみ)が処方した薬を持ってくる。病の頼光のため、慰みに秋の都の名所の様子を舞う。
- 音若【おとわか】
- 頼光の愛刀「膝丸(ひざまる)」を捧げ持って側近くに仕える少年。蝋燭の灯火に映った智籌の影が蜘蛛の姿であることに気づき、頼光に知らせる。
- 渡辺源次綱【わたなべのげんじつな】
- 頼光の四天王の一人。保昌や他の四天王とともに逃げた土蜘の精を追い、妖怪変化と対峙しても臆せず立ち向かって打ち倒す。『戻橋』『茨木』では主役として登場する。
- 坂田主馬之丞公時【さかたしゅめのじょうきんとき】
- 四天王の一人。血気盛んな若者。昔話で有名な金太郎が成長した姿。
- 碓井靭負之丞貞光【うすいゆきえのじょうさだみつ】
- 四天王の一人。昔話では金太郎を見出し、頼光のもとへ連れて行った人物とされる。
- 卜部勘解由季武【うらべかげゆすえたけ】
- 四天王の一人。
- 番卒【ばんそつ】
- 間狂言「石神(いしがみ)」に登場する番卒。通常は太郎(たろう)、次郎(じろう)、藤内(とうない)の3人。
- 榊【さかき】
- 間狂言「石神」に登場する巫女。番卒たちに乞われ、土蜘退治が成就するよう庭に祀られている石神に踊りを奉納する。
- 四郎吾【しろうご】
- 間狂言「石神」に登場する小姓。面をかぶって石神に変装し、番卒たちをからかう。