心中天網島~河庄・紙屋内 シンジュウテンノアミジマ~カワショウ・カミヤウチ

登場人物

人物関係図

人物相関図

主な登場人物

紙屋治兵衛【かみやじへえ】
大坂天満で代々続く紙屋の主人。妻子ある身でありながら、遊女の小春に身代が傾くほど入れあげ、心配した遊女屋や茶屋から出入禁止にされている。
紀の国屋小春【きのくにやこはる】
曽根崎新地の遊女。治兵衛と深い仲で、添われぬなら心中しようと固く約束していたが、治兵衛の女房のおさんからの手紙を読んで治兵衛と別れることを決心し、侍の客(実は孫右衛門)におさんからの手紙のことを隠したまま、本当は命が惜しいと訴える。
粉屋孫右衛門【こやまごえもん】
治兵衛の兄。侍に変装して客として曽根崎新地に行き、小春を説得して治兵衛と別れさせようとする。治兵衛とも出会い、二人を別れさせるが、小春から返させた起請の中におさんからの手紙を見つけ、すべてを察し小春に感謝する。
三五郎【さんごろう】
紙屋の丁稚。おさんから小春に宛てた手紙を届けに来る。
江戸屋太兵衛【えどやたへえ】
大金持ちの商人で廓の上客。小春に横恋慕し、治兵衛と張り合って身請けを画策している。孤身で、身内の目を気にせずふるまえるので、「身すがらの太兵衛」と自称している。
五貫屋善六【ごかんやぜんろく】
太兵衛の遊び仲間の商人。
おさん【おさん】
治兵衛の女房で、いとこでもある。6歳の勘太郎、4歳のお末の二人の子がいる。夫が遊びまわっていても、紙屋の店と家庭を一人で支えるしっかり者。治兵衛を死なせないために小春に手紙を出したが、それが小春にある決意をさせたと察すると、女同士の義理を立てるため、すべてを投げ打って小春を救おうとする。
五左衛門【ござえもん】
おさんの父。昔気質の頑固な老人。治兵衛とおさんのやりとりを見かねて、おさんを無理に実家へ連れ帰る。