新皿屋舗月雨暈~魚屋宗五郎 シンサラヤシキツキノアマガサ~サカナヤソウゴロウ

登場人物

人物関係図

人物相関図

主な登場人物

魚屋宗五郎【さかなやそうごろう】
芝片門前(しばかたもんぜん、現在の芝大神宮付近)に店を構える魚屋の主人。少し前までは行商で魚を売り歩き、不安定な暮らしぶりだった。酒を飲むと人が変わり暴れるのが欠点で、神様に禁酒を誓っている。しかし妹お蔦の死の真相を聞かされると、怒りと悲しみから禁酒を破って、大騒動を巻き起こす。
おはま【おはま】
宗五郎の女房。世話女房の典型的な役。宗五郎が酔って磯部屋敷へ暴れこむのを必死に後を追いかけ夫をかばう。
三吉【さんきち】
宗五郎の魚屋で働く、そそっかしいが、気のいい若者。
太兵衛【たへえ】
宗五郎とお蔦の父親。大事な娘が殺されたことで文句のひとつも言いたいが年老いた身でままならず、もどかしい思いを抱えている。
おなぎ【おなぎ】
磯部家に仕え、お蔦が信頼して召使っていた腰元。お蔦が殺される前に事の真相を知らされていた。それを伝えに宗五郎の家にやって来るが、土産として酒を持参する。
岩上典蔵【いわがみてんぞう】
磯部家の用人。お蔦に横恋慕し、お家の乗っ取りを企んでおり、忠臣たちを陥れようとする。最後はすべての悪事が露見して、祭の中で宗五郎に捕まる。
浦戸十左衛門【うらとじゅうざえもん】
磯部家の家老。懐の深い人物。お蔦を側室にする際に、宗五郎の一家を直接説得した。
浦戸紋三郎【うらともんざぶろう】
十左衛門の弟。お蔦が典蔵に襲われたところを助けるが、逆恨みした典蔵の讒言(ざんげん)で、主君にお蔦との不義を疑われてしまう。
磯部主計之助【いそべかずえのすけ】
裕福な旗本の殿様。祭りの日に出会ったお蔦を一目で気に入り、側室にした。実は宗五郎と同様に酒癖が悪く、お蔦を無残に手討ちにしたのは飲酒により冷静さを失っていたことも要因。酔いが醒めた後は深く反省し、宗五郎たちに謝罪する。
お蔦【おつた】
宗五郎の妹。美人で気立てもよく、主計之助に見初められ、側室になった。偶然にも典蔵らの謀略を知ったことをきっかけに、濡れ衣を着せられて殺される。