伽羅先代萩 メイボクセンダイハギ

作品の概要

執筆者 / 橋本弘毅
演目名 伽羅先代萩
作者 奈河亀輔
初演 1777(安永6)年4月 大坂・中の芝居
概要 義太夫狂言は人形浄瑠璃で初演されてから歌舞伎に移植された作品がほとんどだが、これは歌舞伎で先に上演されている。ただし、現行の上演では1778年江戸・中村座初演の『伊達競阿国戯場(だてくらべおくにかぶき)』など別作品から取り入れられた部分も多い。江戸時代に仙台藩で起こったお家騒動「伊達騒動」を脚色した話で、主要な登場人物にはほとんど実在のモデルがいる。
河竹黙阿弥が実録物として書いた『実録先代萩(じつろくせんだいはぎ)』、四代目鶴屋南北が作り三代目市川猿之助(現・市川猿翁)が復活上演した『伊達の十役(だてのじゅうやく)』など、派生作品もいくつかある。

現在最も頻繁に上演されるのは「御殿・床下」の場。母としての哀しみをおさえ、若君とお家を守るため気丈に振る舞う政岡、荒事らしい正義感が清々しい荒獅子男之助、実悪としてのスケールの大きさを古風な演出でみせる仁木弾正と、見せ場たっぷりの名場面となっている。


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[左から]乳人政岡(坂東玉三郎)、弾正妹八汐(片岡仁左衛門)、栄御前(中村歌六) 平成21年4月歌舞伎座
過去の
公演データ