積恋雪関扉 ツモルコイユキノセキノト

作品の概要

執筆者 / 橋本弘毅
演目名 積恋雪関扉
作者 作詞―宝田寿来 作曲―初代鳥羽屋里長
初演 1784 (天明4)年11月 江戸・桐座
概要 「関の扉(せきのと)」の通称で知られる常磐津舞踊の大曲。もとは『重重人重小町桜(じゅうにひとえこまちざくら)』という顔見世狂言の大詰の所作事として上演されたものだが、現在はここだけ独立した形になっている。当時顔見世狂言の主人公はかならず謀反人であること、大詰の所作事には樹木や鳥獣の精が登場することなどが決まりごとだった。今も人気高いこの作品で、顔見世のクライマックスのふんいきを味わうことができる。
登場する良峯少将宗貞は、出家する前の僧正遍照のこと。関守関兵衛は実は大伴黒主で、小野小町もあわせ六歌仙のうち3人が登場することから、『六歌仙容彩』とも強い関係がある。前半の小町姫と、後半の墨染実は小町桜の精は同じ俳優が演じることが多い。


●トップ画面・タイトル写真
[左から]関守関兵衛実は大伴黒主(中村吉右衛門)、傾城墨染実は小町桜の精(中村福助) 平成16年11月歌舞伎座

●ページ公開日 平成26年12月1日
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