梅雨小袖昔八丈〜髪結新三 ツユコソデムカシハチジョウ〜カミユイシンザ

作品の概要

執筆者 / 橋本弘毅
演目名 梅雨小袖昔八丈〜髪結新三
作者 河竹黙阿弥
初演 1873(明治6)年6月 東京・中村座
概要 河竹黙阿弥の代表作のひとつである世話物の名作で、繰り返し上演されている人気演目。もとは四幕十一場あるが、現在ではかなりの場面が省略される。小悪党である廻りの髪結い・新三の、悪党ながらもどこか憎めない部分を見せるのが眼目の芝居となっている。
省略される最後の場面では、落語や講談などいろいろなジャンルで使われてきた「大岡裁き」の趣向が取り入れられている。新三を殺した弥太五郎源七は、大岡越前守の裁きを受ける。

白子屋の娘・お熊は実在した人物で、白子屋事件と呼ばれる江戸時代の大スキャンダル事件の主役として知られていた。大岡の処断で死罪となったお熊が処刑される時に着ていたのが黄八丈の着物で、外題はそこからつけられたとされている。現在残っている大岡裁きの話は創作が多いが、白子屋事件は実際に大岡越前守が裁いたとされる。


●トップ画面・タイトル写真
[左から]車力善八(坂東秀調)、髪結新三(坂東三津五郎)、下剃勝奴(中村勘九郎)、弥太五郎源七(中村橋之助) 平成25年8月歌舞伎座

●ページ公開日 平成26年12月1日
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