鬼一法眼三略巻 キイチホウゲンサンリャクノマキ

作品の概要

執筆者 / 金田栄一
演目名 鬼一法眼三略巻
作者 文耕堂 長谷川千四
初演 人形浄瑠璃 1731(享保16)年9月 大坂・竹本座
歌舞伎   1731(享保16)年12月 大坂・嵐国石座
概要 文耕堂と長谷川千四の合作による全五段の時代浄瑠璃。同じ作者の合作では他に『三浦大助紅梅靮(みうらのおおすけこうばいたづな)~石切梶原』『須磨都源平躑躅(すまのみやこげんぺいつつじ)~扇屋熊谷』『壇浦兜軍記(だんのうらかぶとぐんき)~阿古屋』がよく知られ、いずれも源平の時代を扱ったものである。
この演目の初段と二段目では鬼若丸すなわち後の武蔵坊弁慶の出生から幼年期が描かれ、やや奇想天外な展開を見せるが、この場は昭和41年4月の「八代目市川團蔵引退披露興行」以来上演を見ていない。
「菊畑」は三段目にあたり、鬼一法眼が持っている兵法の奥義書「六韜三略」(りくとうさんりゃく)のうちの虎の巻をめぐる鬼一法眼と牛若丸・鬼三太とのやりとり。続く「奥庭」は近年の上演があまりないが、虎の巻が牛若丸の手に渡り、鬼一は自害する。
四段目の「檜垣」「奥殿」は一条大蔵卿と常盤御前が中心となって展開し、この場を独立して上演する場合は『一条大蔵譚(いちじょうおおくらものがたり)』の外題が使われる。さらに五段目は、おなじみ京の五条の橋の上での牛若丸と弁慶の出会いとなる。人形浄瑠璃では「一条大蔵譚」にあたる場面は曲が残っておらず、上演されていない。

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[左から]奴智恵内実は鬼三太(松本幸四郎)、奴虎蔵(市川染五郎) 平成18年9月歌舞伎座

●ページ公開日 平成28年11月15日
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