国性爺合戦 コクセンヤガッセン

登場人物

人物関係図

人物相関図

主な登場人物

和藤内【わとうない】
父は明国(みんこく)人の老一官、母は日本人。肥前国(現在の長崎県)・平戸の漁師。豪快で力自慢だが、母から力ばかりに頼って怪我するなとたしなめられる。父の縁につながる明国の再興のために唐土(もろこし、現在の中国大陸)に渡る。
老一官【ろういっかん】
以前は鄭芝龍(ていしりゅう)といい、明国の忠臣だった。皇帝に諌言して疎まれ、日本に亡命し、老一官と名を変え日本人の妻を娶り、平戸で漁師として暮らしてきた。平戸の浜に漂着した明国皇妹の栴檀皇女(せんだんこうじょ)から明国が韃靼王(だったんおう)に滅ぼされたと聞き、明国再興のため唐土に渡る。
渚【なぎさ】
老一官の日本での妻、和藤内の母。原作には名が書かれていないが、歌舞伎では渚の名で呼ばれる。夫や息子とともに唐土に渡り、獅子ヶ城で義理の娘の錦祥女と初めて対面する。
甘輝【かんき】
獅子ヶ城を守る五常軍の将軍。智勇兼ね備え器量に優れた名将。かつては明国に仕えていたが、今は韃靼王臣下となっている。
錦祥女【きんしょうじょ】
甘輝の妻。老一官と先妻の間に生まれた娘で、和藤内の異母姉にあたる。父・老一官に再会し、明国再興への協力を夫・甘輝に願い出る。
栴檀皇女【せんだんこうじょ】
明国皇帝思宗烈(しそうれつ)の妹。皇帝から李蹈天の妻になるよう命令されるが承服できず、官女に梅と桜の花を持たせて戦わせる「花いくさ」で梅が勝ったら従うよう約束させられる。花いくさの最中に韃靼王の急襲を受け明国が滅びると、呉三桂の妻柳歌君(りゅうかくん)の助けで小舟で脱出、日本の平戸に流れ着く。
小むつ【こむつ】
和藤内の妻。栴檀皇女の守護のため日本に残り、いずれ唐土で夫の役に立ちたいと剣術の修業に励む。のちに住吉の神の霊験を得て、栴檀皇女とともに無事唐土に渡る。
思宗烈【しそうれつ】
明国十七代皇帝。忠臣鄭芝龍の諫めを聞き入れず、李蹈天を重んじたために、韃靼王に攻められて后と共に命を落とし、明国は滅びる。
呉三桂【ごさんけい】
大司馬将軍の地位にある明国の忠臣。韃靼王の急襲の際に、妻の柳歌君とともに皇帝の家族を守らんと奮戦。落命した后の腹を割いて皇子を救い出し、九仙山(きゅうせんざん)に隠れ住んで王朝再興をめざし皇子を養育する。
李蹈天【りとうてん】
右軍将の地位にある明国の臣下。忠誠の証に左目を自ら刳り抜いて皇帝の信頼を得る。しかし左目を刳り抜くとは、明国を裏切るという韃靼王への合図で、花いくさの最中に韃靼王の軍兵を大明御殿に引き入れ、皇帝を殺害した。