極付幡随長兵衛 キワメツキバンズイチョウベエ

作品の概要

執筆者 / 橋本弘毅
演目名 極付幡随長兵衛
作者 河竹黙阿弥
初演 1881(明治14)年10月 東京・春木座
概要 「湯殿の長兵衛(ゆどののちょうべえ)」とも呼ばれる世話物の名作。現在は、初演から10年後の1891(明治24)年6月歌舞伎座上演の際に、黙阿弥の高弟だった三代目河竹新七らによって改訂された台本で上演されている。江戸前期に実際に起こった事件をもとに創作された話だが、歴史に忠実な作品を好んだ九代目市川團十郎のために作られたため、ほぼ史実に沿って描かれたという。
主役の幡随院長兵衛は日本の侠客の元祖とも言われ、江戸時代から弱きを助け強きをくじく庶民のヒーローとして扱われ、講談や映画、テレビ時代劇の題材などにもよく使われてきた。歌舞伎では、若き天才剣士白井権八との出会いを描いた名場面『御存鈴ヶ森(ごぞんじすずがもり)』でもおなじみの存在。長兵衛を取り上げた多くの作品の中でも決定版なので、外題に「極付」とついたという。

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[左から]近藤登之助(中村東蔵)、幡随院長兵衛(中村吉右衛門)、水野十郎左衛門(片岡仁左衛門) 平成21年6月歌舞伎座
過去の
公演データ