平家女護島~俊寛 ヘイケニョゴノシマ~シュンカン

作品の概要

執筆者 / 飯塚美砂
演目名 平家女護島~俊寛
作者 近松門左衛門
初演 1720(享保5)年正月 大坂竹嶋座(中の座)
概要 1719(享保4)年8月大坂竹本座の人形浄瑠璃として初演され、翌年、歌舞伎でも全段上演された。五段からなり、特に二段目の「鬼界ケ島の段」が名高く“俊寛”と呼ばれ上演回数も多い。『平家物語』巻二「康頼祝詞(やすのりのっと)の事」、巻三「足摺(あしずり)の事」に取材し、能楽にも同じ主題の『俊寛』という曲がある。近松門左衛門は史実にはない海女千鳥ともう一人の赦免使を登場させ、周囲の人々の思惑や、独り取り残される俊寛の人間性を膨らませ、その苦悩を浮き彫りにしている。幕開きの浄瑠璃は能の「俊寛」を模して荘重に始まり、しだいにリアルなドラマの世界の色合いへと移る。


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[左から]俊寛僧都(中村吉右衛門)、瀬尾太郎兼康(市川左團次) 平成25年6月歌舞伎座
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公演データ