花街模様薊色縫~十六夜清心
登場人物
人物関係図
主な登場人物
- 清心 後に 鬼薊の清吉【せいしん のちに おにあざみのせいきち】
- 鎌倉極楽寺の僧だが、遊女十六夜との色恋が発覚して追放された。名の通り心のきれいな人物だったが、十六夜との心中に失敗した後、ある小姓を殺してしまったことで心変わり。以後は鬼薊の清吉と名のる悪党となる。
- 十六夜 後に おさよ【いざよい のちに おさよ】
- 大磯の廓の遊女で清心の恋人。恋塚求女は実の弟。清心の子を身籠って廓を抜け、清心と心中を図る。しかし白蓮に偶然助けられ世話になる。死んだと思われた清心の慰霊のために出家して旅に出るが、流転の末に箱根山で赤子を産み、清心とも再会して還俗。運命に翻弄される人生を送ることになる。
- 俳諧師白蓮 実は 大寺正兵衛【はいかいしはくれん じつは おおでらしょうべえ】
- 鎌倉雪ノ下で暮らす裕福な俳諧の師匠で、救出した十六夜を身請けして面倒を見てやり、尼になって旅に出ることも許した紳士的な人物。というのは表向きの姿で、正体は極楽寺から三千両もの大金を盗み出した盗賊。後に清心の兄と判明する。
- 恋塚求女【こいづかもとめ】
- 十六夜の弟。清心とは面識がない。清心のために五十両を届ける途中持病の発作に苦しみ、たまたま居合わせた清心に介抱されるが、金に目をつけられて争いとなり、はずみで命を落とす。
- 花売佐五兵衛 後に 坊主西心【はなうりさごべえ のちに ぼうずさいしん】
- 十六夜と求女の実父。十六夜が白蓮に身請けされた後に妾宅でともに暮らす。求女の菩提を弔うため、出家して西心と名を変え、十六夜とともに旅に出て名越の無縁寺に落ち着く。
- 白蓮女房 お藤【はくれんにょうぼう おふじ】
- 白蓮の女房で、夫の正体も知っている。十六夜に文句のひとつも言うべく妾宅まで来て、清心を想う美しい心根にほだされて旅立ちを涙ながらに見送る。
- 下男杢助 実は 寺澤塔十郎【げなんもくすけ じつは てらさわとうじゅうろう】
- 白蓮の家の下男。実は三千両盗難事件を捜査している役人で、白蓮を犯人とみて内偵していたのだった。