弁天娘女男白浪 ベンテンムスメメオノシラナミ

作品の概要

演目名 弁天娘女男白浪
作者 二世河竹新七(後の河竹黙阿弥)
初演 1862(文久2)年3月江戸・市村座
概要 初演時の本名題は「青砥稿花紅彩画(あおとぞうしはなのにしきえ)」。三代目歌川豊国が描いたシリーズ物の錦絵「豊国漫画図絵」(人気役者の似顔絵で製作)をヒントに、当時講談「東海白浪」で広く知られていた盗賊たちを登場人物として黙阿弥が創作した作品。長編のうち、女装した青年盗賊、弁天小僧菊之助が活躍する「浜松屋」「稲瀬川(稲村ケ崎とも)」の二場を中心に再演が重ねられ、「弁天娘女男白浪」の名題で頻繁に上演されている。弁天小僧役は、19歳で初演した十三代目市村羽左衛門(後の五代目尾上菊五郎)による巧緻な演出が伝わり、以後現在に至るまで立役、女方を兼ねる音羽屋ならではの代表的な家の芸となっている。
なお「浜松屋」「稲瀬川」の前後を含めた通し上演も、第二次世界大戦後は多く見られるようになった。弁天小僧が若殿信田小太郎(しだのこたろう)に化け、宝物胡蝶の香合を奪う序幕「鎌倉初瀬寺」から、その最期を見せる「極楽寺屋根・山門・滑川土橋」まで、豪華な大道具も眼を惹く、変化に富んだ展開が楽しめる。


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[左から]日本駄右衛門(市川團十郎)、南郷力丸(市川左團次)、赤星十三郎(中村時蔵)、忠信利平(坂東三津五郎)、弁天小僧菊之助(尾上菊五郎) 平成20年5月歌舞伎座
過去の
公演データ